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ボディワークアカデミーの講師たちが、下肢静脈瘤の理解を深めるため専門講習を受けました。

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ボディワークアカデミーの講師たちが、下肢静脈瘤の理解を深めるため、お茶の水血管外科クリニックの広川雅之先生による専門講習を受けました。

講師紹介

お茶の水血管外科クリニック院長
広川 雅之先生

東京医科歯科大学血管外科講師
医学博士,外科専門医,脈管専門医
日本静脈学会理事
日本脈管学会評議員
日本血管外科学会評議員
関東甲信越Venous Forum会長

▶お茶の水血管外科クリニックホームページ

 

下肢静脈瘤とはどんな病気?

簡単に言うと、足の静脈がふくれる病気です。外から見てすぐに分かるので、実は結構昔からよく知られていた病気です。
ギリシャの遺跡から出たレリーフに足の静脈瘤が彫ってあったり、日本でも奈良の博物館の仏像にも静脈瘤が彫ってあります。人間以外の動物にもできるのも有名な話です。

足の血管には動脈と静脈があり、下肢静脈瘤は静脈の病気です。足の静脈には2種類あって、筋膜より浅いところにある表面の静脈と筋膜より深いところにある深部静脈です。表面の静脈が病気になるのが“下肢静脈瘤”で、深部静脈が病気になるのが“深部静脈血栓症”“エコノミークラス症候群”です。


 

どうやって静脈瘤になる?

足の静脈には血液の逆流を防ぐ弁がついています。
この弁が壊れると血液が逆流して下肢静脈瘤になります。通常、足の付け根の静脈の弁が最初に壊れて血液の逆流が始まり、その逆流によって下流の弁もどんどん壊れていきます。
ふくらはぎの皮膚の薄いところまでくると静脈がふくれ、血がたまっていろいろな症状が起きます。


 

患者さんはどのくらいいるの?

日本での調査では、40歳以上の男女の9%にあたる1,000万人以上に下肢静脈瘤があると言われています。
重要なのは、1,000万人いるから1,000万人全員に治療が必要な訳ではないということです。大部分は放っておいても構わない病気です。


 

どんな人が静脈瘤になりやすい?

どんな人に多いかというと、特に女性です。
妊娠・出産時になることが多いので、出産を複数回経験している人に多いです。

それから立ち仕事の人ですね。“飲食業” ”美容師“ ”スーパーのレジ“ ”調理師“など、一か所にじっと立っている仕事で、ふくらはぎの筋ポンプ作用を働かせない人に多くなります。

それから遺伝性もあります。
両親が静脈瘤の人は9割がた静脈瘤になります。


 

静脈瘤の種類

静脈瘤には以下のような種類があります。


・クモの巣状静脈瘤
・網目状静脈瘤
・側枝型静脈瘤
・伏在型静脈瘤
・陰部静脈瘤

病気として治療が必要になるのは、おもに伏在型(ふくざいがた)静脈瘤です。
伏在型静脈瘤は悪化すると皮膚に茶色い色がついたり、かゆみのある湿疹ができて治らなかったり、潰瘍ができたりするからです。

もう一種類は、妊娠・出産後の女性にできやすい陰部静脈瘤です。
足のつけ根から太ももの裏側のボコボコとした静脈瘤で、生理の時に痛くなったり、足がむくんだりします。特に40代の女性で悩んでいる方が多いです。治療で良くなる静脈瘤なので、症状で悩まれている患者さんには治療をおすすめしています。


 

治療が必要な場合とは?

以下の3つの場合があります。


1. 見た目が悪い
2. 症状がある
3. 皮膚炎を合併

代表的な下肢静脈瘤の症状には以下のようなものがあります。


・足が重だるい
・足のむくみ
・こむら返り

ですが、問題はこれらの症状は他の病気でも起きるので、静脈瘤があって症状があるからと言って、必ずしも静脈瘤の症状とは限らないということです。


 

足のむくみとの見分け方

下肢静脈瘤の症状の1つであるむくみは、単に足が太くなるのではなく、皮膚の下の皮下組織に余分な水がたまった状態です。すね(脛骨)の内側の硬いところを指で押して離したときに、指の形のまま引っ込んで戻らないのがむくみです。あとは、靴下の跡がつくのもむくみです。

むくみには、お酒をたくさん飲んで寝た後や運動不足のような“生理的なむくみ”と、“病気によるむくみ”があります。病気によるむくみもいろいろな原因があるので、むくんでいるから下肢静脈瘤というわけではありません。


 

足のむくみは治療が必要?

当院に来られる患者さんには『むくみを放っておくと、血栓が飛んで心臓や肺に詰まるんじゃないですか?』とよく聞かれるのですが、そういう心配はありません。

また、セラピストの方々はお客様の足のむくみによく気がつくと思うのですが、むくみを治療しないでいると病気になるわけではありません。しかし、“最近急にむくんできた”というのは、心臓や癌などの病気が原因の可能性があるので要注意です。

それがなければ、ある程度むくんでいても構いません。
体質的なものや生活習慣でむくんでいることが多いので、リラクゼーションや運動、ダイエット減量など、できる範囲のことをやって、ある程度許容できる範囲までむくみが取れれば構いません。


 

下肢静脈瘤=治療ではない

下肢静脈瘤自体は良性の病気なので、むくみや重だるさなどの症状があっても必ずしも治療が必要ではありません。症状がある場合は治療をしなさいということではなく、“治療をするかどうかを考える”ことをおすすめします。

治療の前には適切な診断が必要になります。
診断はエコー(超音波)検査で行います。エコー検査は足にゼリーを塗るだけの痛くない簡単な検査なので、気になる方は一度受診をお勧めいたします。


 

放っておいてもいいの?

下肢静脈瘤は年齢とともに悪化していくので、20~30代の方であればいずれ治療が必要になります。だいたい60歳前後にピークになり、70歳を超えるとあまり悪化はしません。

もう一つ、重要なのが“仕事”です。とにかく、立ち仕事の方は悪化しやすいので注意が必要です。
それから家庭環境では、家族の介護や看病などを機に急に悪化することが多いです。


 

下肢静脈瘤の治療法

下肢静脈瘤の治療には以下の4種類があります。


・保存的治療
・硬化療法
・手術
・血管内治療

保存的治療

保存的治療とは自分でできる治療です。
簡単に言えば、生活習慣の改善、体操や運動、自分でできるマッサージなどがそうです。

もう一つは、先ほどもお話した『弾性(着圧)ストッキング』です。
足を締めつけて血流を改善するストッキングで市販のものと医療用のものがあります。市販のものはドラッグストアでむくみ用ストッキングとして売られています。
正しく着用すれば非常に効果的ですが、症状がない方が履いても何も変わりませんので、症状がない方やあまり進行しない高齢の方は弾性ストッキングは基本的にいりません。症状があるが手術を受けたくない方や、長時間の立ち仕事の方は弾性ストッキングを履くことをお勧めします。

保存的治療というのはあくまで症状を和らげるためで、下肢静脈瘤を治すわけではないのです。
マッサージ、弾性ストッキングや、生活習慣の改善を組み合わせて、負担にならない程度で行っていくのがいいのではないかと思います。


根本的治療

現在、下肢静脈瘤を根本的に治す治療は、低侵襲な血管内治療が主流となっています。
局所麻酔でラジオ波やレーザーで静脈の中から熱を発生させて、静脈を焼いてふさぐ治療や、瞬間接着剤を注入し静脈をふさぐグルー治療が保険診療となっています。一番新しいグルー治療は、局所麻酔や術後の弾性ストッキング着用もいらず日常生活へすぐに復帰できます。

当院では患者さんの症状とエコー検査に加えて、患者さんの希望を伺って、最終的に最も良い治療方法を選択しております。

治療法の詳細については、▶お茶の水血管外科クリニックホームページをご覧ください。


 

静脈瘤に効く食べ物

よく『静脈瘤やむくみに効く食べ物や薬』について聞かれるのですが、はっきり言えばあまり効くものはありません。

ヨーロッパなどでは昔からハーブが使われていたり、海外には何種類か薬やハーブがあるのですが、そこまで効果があるとは言えません。


 

血栓とは?

下肢静脈瘤の患者さんの中には“血栓(けっせん)”を心配されている方がいます。

血栓とは何でしょうか?
血栓は血液が固まったもので、ケガをして出血した時になぜ血が止まるかというと、血栓ができるからです。

それが血管の中にできるのが血栓症なのですが、実は血栓症には2種類あって、“表在静脈血栓症”“深部静脈血栓症”です。よく血栓が危ないとか、血栓が飛ぶと言われているのが“深部静脈血栓症”です。

あまり知られていませんが、実は“表在静脈血栓症”で来院される方が多いです。なぜかというと、表面に近いのですごく痛くなったり、しこりができるので皆さんびっくりされるからです。

“深部静脈血栓症”は恐ろしいと言われている割に、意外と症状が軽い場合が多いです。

深部静脈血栓症で足の血栓が飛んで行って肺の血管に詰まった場合を“エコノミークラス症候群”といいます。

長時間飛行機に乗った後におこることからエコノミー症候群と呼ばれますが、実際は病院で手術後におこることが多く、最近では、地震の後に車の中で避難しているお年寄りの方におこることで注目されています。


 

深部静脈血栓症は施術OK?

セラピストの方々は、「深部静脈血栓症の方を知らずに施術したら危ないのではないか?」というのが一番心配だと思います。

しかし、施術で血栓が飛ぶ心配はほとんどなく、大部分は施術して問題ないと思います。血栓が飛ぶのは血栓ができてから2週間以内で、ご本人が“深部静脈血栓症”と知っている場合はだいぶ時間が経っているので血栓は飛びません。血栓が飛びやすいのは血栓が細く、まだ血管の中でふらふらしていて無症状の“サイレント血栓”の場合です。これは誰にもわからないのでどうしようもありません。また、”サイレント血栓“であっても自宅から歩いて施術を受けにくる間にとっくに血栓は飛んでしまっています。

ただ、深部静脈血栓症の治療中の方は、血液をサラサラにするお薬を飲んでいる場合があるので、強く施術をするとと内出血を起こし、痣ができやすいので注意が必要です。



※ラフィネグループでは下記項目に該当する方は、お身体への影響を考慮致しまして施術をお断りしています。
▶施術をお断りする可能性がある項目についてはこちらからご確認ください


 

下肢静脈瘤の施術はOK?

クモの巣状の下肢静脈瘤は、通常どおりの施術をして問題ありません。
ボコボコしている下肢静脈瘤の場合は、表在静脈血栓症(深部静脈血栓症ではありません)を起こす可能性があるので、あまり強い力で刺激しないのが望ましいでしょう。リフレクソロジーやアロマトリートメントの施術などであれば問題ありません。


※以下の場合は施術を避ける


・赤くなっている
・熱を持っている
・押すと痛む
・潰瘍がある

※ラフィネグループでは下記項目に該当する方は、お身体への影響を考慮致しまして施術をお断りしています。
▶施術をお断りする可能性がある項目についてはこちらからご確認ください


 

講師たちの感想

須永講師:
非常にわかりやすく噛み砕いた内容で勉強になりました。
今回得た知識を用いて研修や勉強会にあたりたいと思います。


 


羽田講師:
広川先生の講義で、曖昧だった部分を解消でき、大変勉強になりました。
セラピストが普段施術を提供する際の説明や、施術の注意事項も教えていただけました。
静脈瘤の方へも安心して受けていただくことができるのだと、改めて確認できました。
研修生へも、安心安全な施術を提供できるように伝えていきます。


ボディワークアカデミーは、今後も定期的に専門医の知見を学び続け、さらなるスキルアップと質の高い指導を目指してまいります。

 

お茶の水血管外科クリニック

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知ってください下肢静脈瘤のこと(広川先生ご監修)

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